以前にも書かせて頂いたことがありますが、ビールにはラガーとエールがあります。
これは製造方法の違いでの分類なのですが、実は
このふたつの種類のビールに当てはまらないビールがあるのです。
それが『ランビック』です。
なにが違うのでしょう?どこが珍しいのでしょうか?
ラガーやエールは酵母菌の種類の違い、発酵温度の違いなどでふたつに分類されているの
ですが、基本的にはおおまかな工程は同じです。
さまざまな原材料を入れ、酵母菌を入れ、発酵を待つ。
という具合です。
ランビックはこの工程の「酵母菌を入れ」の部分が違うのです。
当然菌を入れないとアルコールは作られません。
現在のビール製造では味の均一化、効率化を考えて完全に管理されたビール酵母を
投入します。
でもこのランビックにはこの工程がないのです。
ではどうしましょう??答えはそう、待つのです!
自然界には色んな菌が浮遊しています。この中のどれか。ビールを
発酵してくれる菌がピタッとくっつくのをひたすら待つのです。
なんてアバウトで不確定なんでしょう。
ちなみにこの菌のことを野生酵母と言います。
当然どこにでもビールを発酵させることに適した菌が浮遊して
いるとは限りません。
ベルギー発祥のランビック、そこのある地域の伝統的な作り方は、この野生酵母を保護するために
何年も前から醸造所の掃除はしないそうです。
日があまり差し込まないようにしクモの巣なども放置とか・・・。
それもまた一興と思う方はかなりのビール好きでしょう笑
肝心の味は、すっぱっ!!です。はじめはびっくりします笑
発酵の過程で乳酸発酵も混じるため酸味が強くなります。
でも不思議なことに後味がすごいさっぱりしているので次々に飲めてしまうんです。
食欲も増進されてなんだか体にいい感じがします。
僕はシャキッとしたい時に飲みたくなります。
アルコール度数は高めで8%前後あります。賞味期限も限りなく長いものも多いです。
さすが野生酵母!
上の写真のビールは『グーズ』というランビックビールです。
ランビックの代表みたいなビールだと思います。
輸入ビールが多い酒屋さんなどではたまに見かけたりすることがありますので
話のタネに一杯どうでしょう? 武田